Club Silencio

夢と現実の魔境からお届け

【ネタバレ感想】『ゲティ家の身代金』評

ジャン・ポール・ゲティはアビゲイルチェイスの決断によって真実を告げられる。

 

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それは愛の価値が"All the money in the world/世界のすべての金"に勝るということ!

そうしてゲティは生き急ぐように、愛を金で買おうとする。つまり、身代金を払うのだ。 

 

しかし、時すでに遅し。
気付けば、忠実だった執事の姿さえ見えないではないか。どれだけ金が稼げても、愛に対する取引にはめっぽう弱かった。残されたのは、彼にとってもはやただの紙切れでしかない。

 

悪夢に魘されて起きた彼は、アルブレヒト・デューラーMadonna of the Pearを壁から外す。

 

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もう人肌の温もりは感じられないのかもしれない。そこにあるのは北方ルネサンスで描かれた母子の姿だけ。だからこそ叶えられなかった愛の形を想い込め、絵画を抱いて眠ろうではないか、永遠に…。